平凡情弱高学歴が、ベンチャーに行ってみて。

スローガン株式会社。セールス→キャリアアドバイザーチームのマネージャー→新卒採用担当。官僚志望だった平凡な東大生が、新卒でベンチャーに入ってみての話や、採用周りの話を綴ります。

ベンチャーで新卒採用やってて、ふと「もっと優秀なヤツが欲しい」と言われた方へ

第2弾は、ベンチャー企業の新卒採用についての話。このブログでは、「官僚志望東大法学部生がベンチャーに行った話」以外にも、「ベンチャー」「採用」「キャリア」などを軸に発信していきます。

 

さて、新卒採用の支援を続けていると超高頻度で聞くのが「採用している学生のレベルを上げたい」という声。まあどの会社でも絶対求めるし、むしろ求めない方が問題なんじゃないかと思うレベルなテーマですよね。

で、今回は、ベンチャーの新卒採用支援をしている中で感じた、ベンチャー企業(特に採用強者じゃない企業)にとっての成功する新卒採用のキードライバーは、採用レベルをいかに上げるかではないんじゃないか、それは実は犬の道なのではないか、というお題で書きます。採用担当の方向け。いきなりターゲット狭い気がする。。。

 

●今日の内容はざっくり以下の2パート。

1.採用の難易度は、何で決まるかという話

2.採用レベルは上がったのに後悔、が実はあるある?

 

では早速。

 

1.採用の難易度は、何で決まるかという話

本題に入る前に。新卒採用の際の難易度は、概ね「競合環境」×「採用魅力度」の2軸で決まります。

競合環境というのは、例えば自社の採用ターゲットに関しての、「某外資系トップファームに内定する学生を欲しい企業は多いよね」という意味での需要量と、「起業経験のある学生は少ない」みたいな供給量のバランスで決まる。すげえ当たり前のこと言ってんな。

採用魅力度はかなり複合的な掛け算で、ベンチャーの新卒採用の場合は「採用ブランド」「知名度」がまず大きな変数で、他にも「採用フロントの対人訴求力」「訴求ストーリーの強さ×個別化度合い」「制度面の差別化度合い」などがあります。

(魅力度の強め方、別途書いてみたいと思います)

 

で、今回のレベルを上げようという話は、当然ですが競合環境を相当厳しくする方向になります。

ある程度の数を取りつつレベルを上げていくなら、「採用ブランド」「知名度」いずれかへの投資がかなりの確率でマストになると思っています、というか過去これ以外でまとまった数、かつハイレベル採用をできた事例がほぼ無い。1人などの少数だけに絞ってハイレベルを狙いに行くなら、またちょっと話変わります。リファラルの強みも、個別に時間使って口説きに行くという、ブランドに左右されにくい採用ができることが1つ大きな要素かと。

 

2.採用レベルは上がったのに後悔、が実はあるある?

で、苦心してレベル高い学生を採用した後によく出てくる話が、「思考力はあるけどコミットが弱い」「定着しなかった」という反省点です。なんとかブランド形成していこうとページをリッチにしたり経営陣の工数使って採用した結果抜けていく、という悲鳴が実は頻発。

本当にこれが中々しんどくて、せっかく工数使ってページ用意して説明会のスライド綺麗にして経営陣に前に出てもらって採用したのに、また振り出しに戻るという。。。これを避けたい一心でこの記事かいてます。

採用やっていて、「もっと優秀な人を採用したい」とだけ、さらっとリクエストを受けたときほど「何のレベルを上げるのか」「上げるためにどうするか」を経営者巻き込んで考えていかないと、本当に後々しんどくなること請負。勿論パフォーマンスが高くなる人を採用すべきなのは当然ですが、そのためのキーとなる要素が何なのか、にきちんと仮説を持っておかないといけないし、"努力"という以外の手段も当然セットで無いといけないよね、という話ですね。いったん学歴高い人を採用しよう、ってスタートしてボロボロになったプロジェクトとかかなり見かけます。。。

ちなみに採用後の社員の成長度合いを見ると、コミュニケーションや思考速度を見るよりも、「挫折への対処能力」「ベースの自己肯定感」などの、いわゆるレジリエンスを見た方が後々の組織に良い効果をもたらせている感覚。かつ、レジリエンス面を強くスクリーニングしている会社は市場に少ないので、競合環境も相対的に緩くなりやすい。

(特に組織フェーズの変わり目だったりして、ポジションの変動があり得る会社なら尚更レジリエンスの重要度高いと思います。自社でもかなり感じてる点。そういえば、はじめスキル採用していったらメンバーが離脱しまくって、そこからミッションフィットや人柄面を見て採用するようになった、という話もよく聞く事例ですよね。)

 

まとめると、新卒採用において、単に「レベルを上げる」と言っているとき、そのターゲティングにちゃんと仮説があるのかを深く考えていくことが大事だよなあと思っています。マーケティングやセールスだと当然なのに、採用になると実践している会社が案外少ないような。1人1人が果たす役割が相対的に大きなベンチャー企業にとって、間違いなく大事なポイントだと思うので、継続的に発信したいと思います。

 

あと、さらっと触れた、「採用の魅力度はどう上げるか」なども近いうちに書こうと思います。今回はこの辺で。