平凡情弱高学歴が、ベンチャーに行ってみて。

スローガン株式会社。セールス→キャリアアドバイザーチームのマネージャー→新卒採用担当。官僚志望だった平凡な東大生が、新卒でベンチャーに入ってみての話や、採用周りの話を綴ります。

書評『プロフェッショナルマネジャー』

また書評です!今回は、柳井社長もバイブルにしていた『プロフェッショナルマネジャー』です。

特に学びだったものを抜粋しつつまとめました。

本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。

冒頭付近で、「最重要な経営のポイント」として挙げているのがこの文章。シンプルですが、理想を描いて徹底的に到達するという本質を記しています。ボトムアップにやれることをやっていても経営と言えず、理想だけ掲げていても経営と言えず、理想をゴール志向に高く掲げて徹底して達成すること、それこそが経営である。

経営者は経営しなくてはならぬ。経営において重要なのは結果である。意味があるのは、所期の結果を達成したか、しなかったかということだけだ。そして経営者は自分の責任範囲のあらゆる活動をしっかり掌握していなくてはならない。

個人的に、ここが一番強く心にきた文章。自分の管掌する事業と企業活動に関わることを、メンバー個々人の活動や数字の些細な違和感にまで踏み込み、達成に向けて全力を挙げるべし。

業界と同業者たちによってつくられた基準もあるだろう。しかし、そんなものより彼自身こそが、自分がどれだけ立派な仕事をしているかの最良の判定者である。彼自身が基準を定め、それらを達成するように経営をおこなわなくてはならない。

これは、意思決定そのものが正しいかどうかを問うよりも、正しくするために考え抜き、覚悟を持って決めているかどうかを重視すべき、という文。

それ自体が誤りである決定を下すことはほとんどないが、誤った、もしくは誤りに導く、あるいは見落とされた事実に基づいて正しい決定を下すことによって、物事はおかしな方向へ向かって行ってしまう。

考え抜いて決断した方針が、そもそも誤った市場や顧客理解だったり、誤った仮説に基づいていて、はじめは気付かなくとも後々大きな問題になっていく、というもの。如何に事実理解を正確にするかが重要。

人は失敗から物事を学ぶのだ。成功から何かを学ぶことはめったにない。成功は失敗よりずっと扱いにくいもののように思える。なぜなら、それをどう扱うかは、まったく本人しだいだからである。

失敗からは学べる人が多いが、成功して緩んでしまう人は一方で多い。ある程度成功したと周りの人や市場から評価されているときにでも、自らの基準を高く持ち、ブラさずにいられるかどうか。

数字相手の苦行は、じつは自由への過程なのだ。数字の徹底的検討は、われわれが自由に勇気をもって行動できるようにしてくれた。事実を正確に伝える、上等な数字がそうさせてくれるのだ。

そして「経営者として経営する」ために、ゆるぎない事実を掴むべしと言う。その事実の掴み方の1つが数字。数字の定義ズレを徹底的に無くし、その裏側の動きを深掘り理解を深めること。