平凡情弱高学歴が、ベンチャーに行ってみて。

スローガン株式会社。セールス→キャリアアドバイザーチームのマネージャー→新卒採用担当。官僚志望だった平凡な東大生が、新卒でベンチャーに入ってみての話や、採用周りの話を綴ります。

『粗にして野だが卑ではない』を読んで。

書評も書いてみます。このブログのテーマは「挑戦する人、挑戦に賭ける人を増やす」ということなので、それに活きると思ったやつをピックアップして書こうと思います!

さて、このタイトルの言葉がめちゃくちゃ有名な、石田 禮助の人生を描いた小説ですね。


「粗にして野だが卑ではないつもり。ていねいな言葉を使おうと思っても、生まれつきでできない。無理に使うと、マンキーが裃を着たような、おかしなことになる。」(同著より)


この本では、家庭内外、社内外、国会問わず率直で「卑ではない」言動を取り続けた石田 禮助氏の生涯を綴っています。

幼少の頃から勝ち気。自分の人生には自分で責任を負って生きたいいう気持ちの元、地元のしきたりに逆らって東京商科大学へ進学し、三井物産へ入社。アメリカで支店長になってから頭角を現し、持ち前の率直な物言いと決して妥協しない責任感の強さを活かし、次々と新たなビジネスを開拓して売上を伸ばしていった。

そして三井物産代表取締役に就いてからも精力的に仕事に臨み、勝ち気にビジネスを伸ばしていった。

引退後は、株と農業に勤しんでいたが、国鉄総裁に打診を受けて就任。国には隷従のような立場を取っていたそれまでの総裁とは異なり、総裁として国会議員も完全に同志と見なした率直な答弁を続けた。国鉄内の雰囲気刷新にも躊躇わず、労使交渉でも常に「筋を立てる」「卑ではない」ことを貫き通し、否と思ったことは絶対に譲らなかった。

 

この本を読んで非常に印象に残ったことは、大きく分けると2つ。1つ目は、石田 禮助氏の決断における視野が常に未来を見据えていて、ブレのない自分なりの基準を持っているところ。常に率直に、かつ自らの心に偽りなく、将来成したいものに正直に選択を重ねてきた姿は力強く、読むだけで力を貰います。

そしてもう1つは、石田 禮助氏が高等学校を選ぶ際に、地元の集落では親の跡を継いで漁師になるのが通例だったところ、商業学校に進もうと決意する以下の一文。

「事は自分の人生にかかわる。一時は親を悲しませようとも、不本意な選択をして、不満のツケを生涯払い続けたくはない。事業家としての父をよろこばせるには、松崎の網元にならなくとも、外へ出て大きく金もうけしてみせればよいではないか。」(同著より)

1つ目と少し重なりますが、この"自らの人生は自らで決める、責任も自ら取る"という潔さが、共感や尊敬を呼ぶのだと思います。いやー、高校生の時にこんなこと考えてなかった。最近こうしたある人の人生全体にスポットを当てた本をよく読んでいますが、下手に自己啓発本やビジネス本読むぐらいならこっちの方が学び取れることは多いかと。で、これを日々に置き換えると、普段の暮らしから「誰かに反対されるから」「いつも〜してるから」「変えられないし」と、無意識に妥協していることって案外多いと思うんですよね。キャリアなんて大それたものじゃなくても、人と意見が合わなくなりそうだと思った瞬間の振る舞いや、何となく自分の熱量を上げられないまま取り組むプロジェクトなど。こうした小さな、実はどうにかできる決断機会に、「自分の信念」に則った言動ができているか。

『卑ではない』生き方をしよう、という強いメッセージがこめられた本でした。

キャリアにおける「イカ東」現象。なんでみんな同じとこ行くの?

今のところ週1本ペースは維持!このまま続けます。

さてさて今日はタイトルの話。両親ともに公務員で1人っ子→地元の公立進学校→東大法で官僚志望→新卒ベンチャーと、優等生キャリアを歩もうとしていた身から、「東大生って、なんでみんな同じようなところに行くの?」という超絶ブーメランなテーマについて書きます。

あくまで個人的意見ですが、就活や転職タイミングで「挑戦したいけど怖いし」「でもこれまでの経歴を捨てられない」と思っている方の力に少しでもなれば良いな。

 

1.みんな、なんで東大卒は使えないって言うんだろう

2.東大卒×サンクコスト=「イカ東」現象

3.その呪縛から逃れるために

 

1.みんな、なんで東大卒は使えないって言うんだろう

僕がこの疑問を持ち始めたのは高校生の時。県立進学校から東大を目指していた僕に向けて、教師も親戚も口々に「悪い東大卒になってはいけないよ」というアドバイスをくれたのがきっかけ。例えば「頭の固い東大卒になっちゃいかん。あれは一緒に仕事してて本当に大変だった」「頭は良いけど周りへの思いやりがない人が多い。そうはなるな」など。

(ちなみにその時は「そうなのか、気を付けよう。けど、東大だけみんなやり玉に挙げるってことは、若干偏見もあるのかな?」とか生意気に思ってました。)

この疑問を何となく抱きながら「普通の東大生」とは言われたくないなと、大学生の間も漠然と思ってました。かつ、東大では「イカ東(=いかにも東大生)」が最大級の悪口になっているように、「イカ東」を避けるように行動してる人が多かった。だからこそ、みんなキャリアも色んなところを選ぶのかなあ、とか思ってた。

 

2.東大卒×サンクコスト=「イカ東」現象

でも、その後のキャリアを見ると、驚くほど「イカ東」な道ばっかり。官僚志望の間では、「どの省に行くか」の競争があったり、大手の中でも人気ランキング上位からキレイに受けていて有名大手に入っていたり。在学中は「イカ東」を避けていたのに、卒業した瞬間そうなるのはなんでなんだろう?

「やりたいことが無いから」「給与面が大事だから」「飛び込む意味を感じない。あとでチャレンジできる」という声が、「イカ東」現象の一番の原因ではないでしょうか。やっぱりサンクコストが大きく感じられちゃうというか、「有名どころに行かないと、周りの期待を裏切る」「大きな仕事がしたい、しなきゃいけない」みたいな気持ちになる人が多い。僕はちなみになってました。だから官僚受けてましたし。

僕は運良く、公務員試験合格後の落ち着いてた時期にOBの方々と面談していて「キャリアパスが固まりきった組織」が何となくピンと来なくて真剣に他のキャリアを考えられましたが、相当ラッキーだった。特に官僚を目指してると、「周りから相当批判をされる仕事」「けど、国を支えるもので誰かがやらなきゃいけない」「目の前の給与は大手企業に行った方が良いから正直人気は普通くらい」みたいな認識が混ざって、「自分がやらねば」というモードになりやすい構造。意地みたいなものも相まって離脱しにくい構図です。

だからこそ「自分は本当にこう生きたいのか?」を考えるタイミングも無く、そのまま試験合格したから入る人が多い。

 

3.その呪縛から逃れるために

では、どうしたらそこから逃れられるのか?いくつか原因があると思うのですが、僕は以下の2つに収斂すると思っています。

・How思考が強く、What思考が弱い

・具体化/個別化思考が弱い

まず、「How思考」の話ですが、これはいわゆる「どこで勝つか」「何を目指すか」を考えなくとも「どうやって勝つか」を考えてやってこれてしまった、という話。就活の偏差値思考とかはここから来ますよね。「具体化/個別化」は、こっちはあんまり聞き慣れないと思いますが、東大生のキャリア相談に乗ってて思うのは「相手(人・企業)に興味を持てない」「一般論に落とす傾向が強い」という2つ。

雑にまとめると「一般論で効果のあるもの(個別化より一般化)に飛び付いて、そこで上を目指す(WhatよりHow)」思考になりやすい、というのが感じているもの。

じゃあどうするか?僕は「一般論より個別解。突出する法則を見る」「無知の知が対処法だと提案します。いきなりソクラテス

一般論より個別解。突出する法則を見る

社会での勝ちは、普遍性よりも突出度で測られる方が多いですよね。この突出度を実現できた個別事情の理由を、深く突き詰める思考をしよう、というのが1つ目の対処法。「なんでこの経営者はここまでやれたか?」「なぜこの会社はここまで大きくなったか?」を深く聞こう。突出しているものには、共通点があります。

無知の知

これは自分が知らない世界の広さを認める、知らないことに謙虚になり興味を持つ、という意味で使ってます。二次情報で切るんじゃなく、興味持つまでやってみる、聞いてみる。

元々興味を持ってなかった人と話そう。かつその人が何をしてきたか、それは何故かを深く聞き、興味を持とう。

ちなみにこんな記事を書くだけあって、僕は逆学歴コンプレックス持ちですwもっとみんなが自由に歩めたら。そんな社会をつくりたい。

就活ルール廃止で、どうなる?

話題に乗ってこのテーマについて考えてみます。(あくまで本ブログは1個人としての意見です。特に会社としての見解を示すものではありません。)

遂に!!就活の説明会解禁、面接解禁時期の制限が2021新卒の代から撤廃されることになりました。2019新卒で言えば、3月から説明会、6月から面接解禁というスケジュールで、そこまでは各社説明会とは言わず職業体験(インターンシップ)型で接点を持つなどが主流でした。

では今回、この時期制限が撤廃されることで、何がどうなるのか?新卒採用をしている側から見ると、どう備えれば良いか?考えてみようと思います。

 

1.ざっくり概観。早期の内定出しが活発化。

2.各サービス別に検討してみる

スカウト型サービスはどうなる?

エージェントサービスはどうなる?

媒体はどうなる?

3.長期インターンの流れ

 

1.ざっくり概観。早期の内定出しが活発化。

まずは全体の流れからおさらい。要は「選考開始の時期、内定出しの時期に縛りが無くなる」というのが肝。

つまり、大学1年生の4月に就職先が決まる、というのが原理的にはあり得るわけです。それに伴って、いわゆる青田買いという意味で企業の採用活動も前倒しされる可能性が高いでしょう。

少なくとも、今みたいに6月まで待って活動する企業は、相当減るはず。「通年採用」はむしろ一般的になり、そこでどう差別化するのかという点で、採用ブランディングに振り切るのか個別のゲリラ戦に振り切るのかの選択が前より重要になるかと思います。

企業の採用活動は、ブランド力を資本に早期から囲い込みに行く企業が増える一方で、採用時期が多様化するために、個別に接点を深く持ちながらバイネームで口説いていく企業も増え、この2つに徐々に2極化していくのではないかと考えています。

 

2.各サービス別に検討してみる

スカウト型サービスはどうなる?

さて、ではそうなっていった際に、各採用支援サービスはどう変化していくか?ちょっと一般論になってしまいますが、見ていきましょう。

スカウト型サービスは、ベンチャー向けにより流行する方向に動くでしょう。企業の文脈を問わず個人で接点を持てるサービスは、通年採用化の動きと非常にマッチしています。

その中での競争の方がむしろ論点かなと思っていて、「マッチング精度の向上」「運用効率の向上」の2つを効果的に実現できたサービスが勝つのでは、と。通年採用になっていくと、よりフランクな文脈で繋がりやすくなるため、採用効果という点だと、ともすると逆行しやすくなる。それを防ぐためにマッチングの精度と運用効率が重要、みたいな意味合いですね。

 

エージェントサービスはどうなる?

続いてエージェントは?こちらもスカウト形式と比較的近く、「母集団の質向上」「採用効率の向上」の2つが肝になるのではと思います。ポイントは、中程度の付加価値を提供しているエージェントが淘汰され、プラットフォーム型と高付加価値型に2極化するのではないか、という点です。通年採用になっていくと、採用ブランドが確立されている企業とそうでない企業で、いわゆる「有効母集団(本気度合いの高いエントリー母集団、と定義します)」の数に差が開いていくと予想されるため、ブランドのある企業からすると付加価値を下げてコスト効率を上げる方が、ブランドの無い企業からすると付加価値を上げる方が理に適うのではという予測です。

 

媒体はどうなる?

こちらも上記2種類と近しい予想で、「プラットフォーム型」と「ブランド型(セレクトショップ型)」のどちらかに収斂する圧力が強まるのではないかと考えています。細かいところは被るので割愛。

 

3.長期インターンやその他サービスの流れ

ここまではこれまでの新卒採用領域をカバーしていたサービスの動向について書いてきましたが、長期インターンやその他のサービスの流れも見逃せなくなると思います。なぜなら、早期化すればするほど「早く囲いたい」という企業側の思惑と、「早く就職先を決めてしまいたい」という学生側の思惑は一致する一方で、「キャリアについてまだあまり考えていない段階の学生が、自社にフィットするか見極めにくい」というマイナスがあるため。

そこから、「じゃあ働いてもらってそこから採用しよう」「適性テストや診断サービスを活用して、フィットするかどうかを見極めよう」というニーズがこれまでよりも非常に強まっていくのでは、という流れです。この「自社に合う学生を、早期にいかに見つけるか?」という問いが起こるというのは本当に良い動きになるんじゃないかと思ってまして、心から、今回の就活時期制限の廃止は喜ばしいなと思ってます。

ちなみにスローガンでは、長期インターンの採用支援サービスにも相当注力してます。就活が、単なる言葉遊びではなく、学生にとってはキャリアを捉え直す、企業にとっては自社で活躍する人材を考え直す、良い機会とできるよう、引き続き頑張ります。

情弱官僚志望が新卒でベンチャーに入ったら?

第3弾は、自己紹介2本目。1本目は「何も知らない公務員志望が、何でベンチャーに来たのか」について書きました。2本目は、「そんな世間知らずがベンチャーに入ってどうなったのか?」がテーマ。

やりたいことも明確になってない、人からの見られ方が気になって仕方なくてプライドが高い、アルバイト経験すらまともに無くて働いた経験は0、そんな状態でベンチャーに入って、どうなったか?よく、「ベンチャーって何か具体的にやりたいことがある人が入る場所で、自分には飛び込めない」というコメントを学生さんからいただくので、じゃあ実例を見てみようと思いましてw

以下のような気持ちを持ってる方向け。

✔︎ベンチャーとかよくわからないし怖い。

✔︎やりたいことが決まってる人しかベンチャーは合わないのでは?

 

さて、僕は15年4月に入社して、初めセールスに配属。ビジネスとか全くわからなかったので、ちゃんと力を付けたいと思ってたので、営業は願ったりでした。そしてクライアントへのセールス、セールス後の納品で集客やPR冊子制作のディレクションなどを担当。

…とにかく仕事ができない。絶望的にできない。

20人規模の会社だったのでとりあえず現場に入るスタートだった、というのはあるにせよ、まず基本的なことができない。まず、セールスなのに本当に喋れない。SPINで言う状況質問すらまともにできない、みたいな。じゃあテキストならどうなのかというと、クライアントとのMTG資料の作成にも手間取る。その上で要点も得ていなくて、読んでも意味がわからない。

そんな感じなので、とにかく1つの仕事に時間がかかる。常に後手後手で、寝る時間を削って何とか間に合わせるような状態。提案期になるとそれがもっと加速した。もはや家に帰れない。人に頼るにも、何ができてないかわからないから聞けない、と止まる始末。

めちゃくちゃプライドが高くて真面目なだけだったのが、ゆっくりゆっくりへし折れていった期間だった。


そして時は流れて、入社してから1年半後。あるクライアントへの提案をきっかけに、徐々に結果が出始めた。でもスキルが上がったのかというと多分そんなこともない。少しだけ自信が付いたとか、自信が付いたから人に頼れるようになったとか、そのくらいの変化。それでも、当時の自分にとっては破壊的な変化だった。てかここまで1年半もかかったのは本当にやばいw

ここから徐々にできることも増え始めて、他の担当の納品ディレクションに入ったり、その後キャリアアドバイザーチームのリーダーに回ったり。

この経験を振り返って思ったことは、「スキルが無くても、仕事をどうすれば達成できるかだけにフォーカスして動ければ、成果は出せる」ということ。自社内で活躍しているメンバーを見ても、クライアントで活躍している人を見ても共通していたので、より強く思うようになっています。ちなみに新卒入社や中途入社で入ってくる人を見ていて必ず思うのは、自分の1年目より絶対に凄い、ということ。笑

要は、「スキルや経験、やりたいことがあるに越したことは無いが、無くてもやり抜くことさえできれば何とかなる」というのが僕の経験からの学びでした。

自分よりもできない1年目って社内外問わずあまり見なかったので、こんなんでも大丈夫なら、大体の人が大丈夫なんだと思います。あれほど何もない新人は本当に中々いないと思う。ただ1つだけ条件があったとすると「諦めない力」があるかどうか。それだけあれば、入る前から不安になることは無い、ハズ。

かつ、新卒でベンチャー入ってみて一番感じたのは、「ひたすらできないなりに責任を負ってやっていると、やりたいことや課題意識が徐々に強化されていく」ということ。やりたいことが見つからないなら、自分で何かを決めなければいけない場所に行った方が良いと思う。

 

次は、また採用周りの記事を書こうと思います。

ベンチャーで新卒採用やってて、ふと「もっと優秀なヤツが欲しい」と言われた方へ

第2弾は、ベンチャー企業の新卒採用についての話。このブログでは、「官僚志望東大法学部生がベンチャーに行った話」以外にも、「ベンチャー」「採用」「キャリア」などを軸に発信していきます。

 

さて、新卒採用の支援を続けていると超高頻度で聞くのが「採用している学生のレベルを上げたい」という声。まあどの会社でも絶対求めるし、むしろ求めない方が問題なんじゃないかと思うレベルなテーマですよね。

で、今回は、ベンチャーの新卒採用支援をしている中で感じた、ベンチャー企業(特に採用強者じゃない企業)にとっての成功する新卒採用のキードライバーは、採用レベルをいかに上げるかではないんじゃないか、それは実は犬の道なのではないか、というお題で書きます。採用担当の方向け。いきなりターゲット狭い気がする。。。

 

●今日の内容はざっくり以下の2パート。

1.採用の難易度は、何で決まるかという話

2.採用レベルは上がったのに後悔、が実はあるある?

 

では早速。

 

1.採用の難易度は、何で決まるかという話

本題に入る前に。新卒採用の際の難易度は、概ね「競合環境」×「採用魅力度」の2軸で決まります。

競合環境というのは、例えば自社の採用ターゲットに関しての、「某外資系トップファームに内定する学生を欲しい企業は多いよね」という意味での需要量と、「起業経験のある学生は少ない」みたいな供給量のバランスで決まる。すげえ当たり前のこと言ってんな。

採用魅力度はかなり複合的な掛け算で、ベンチャーの新卒採用の場合は「採用ブランド」「知名度」がまず大きな変数で、他にも「採用フロントの対人訴求力」「訴求ストーリーの強さ×個別化度合い」「制度面の差別化度合い」などがあります。

(魅力度の強め方、別途書いてみたいと思います)

 

で、今回のレベルを上げようという話は、当然ですが競合環境を相当厳しくする方向になります。

ある程度の数を取りつつレベルを上げていくなら、「採用ブランド」「知名度」いずれかへの投資がかなりの確率でマストになると思っています、というか過去これ以外でまとまった数、かつハイレベル採用をできた事例がほぼ無い。1人などの少数だけに絞ってハイレベルを狙いに行くなら、またちょっと話変わります。リファラルの強みも、個別に時間使って口説きに行くという、ブランドに左右されにくい採用ができることが1つ大きな要素かと。

 

2.採用レベルは上がったのに後悔、が実はあるある?

で、苦心してレベル高い学生を採用した後によく出てくる話が、「思考力はあるけどコミットが弱い」「定着しなかった」という反省点です。なんとかブランド形成していこうとページをリッチにしたり経営陣の工数使って採用した結果抜けていく、という悲鳴が実は頻発。

本当にこれが中々しんどくて、せっかく工数使ってページ用意して説明会のスライド綺麗にして経営陣に前に出てもらって採用したのに、また振り出しに戻るという。。。これを避けたい一心でこの記事かいてます。

採用やっていて、「もっと優秀な人を採用したい」とだけ、さらっとリクエストを受けたときほど「何のレベルを上げるのか」「上げるためにどうするか」を経営者巻き込んで考えていかないと、本当に後々しんどくなること請負。勿論パフォーマンスが高くなる人を採用すべきなのは当然ですが、そのためのキーとなる要素が何なのか、にきちんと仮説を持っておかないといけないし、"努力"という以外の手段も当然セットで無いといけないよね、という話ですね。いったん学歴高い人を採用しよう、ってスタートしてボロボロになったプロジェクトとかかなり見かけます。。。

ちなみに採用後の社員の成長度合いを見ると、コミュニケーションや思考速度を見るよりも、「挫折への対処能力」「ベースの自己肯定感」などの、いわゆるレジリエンスを見た方が後々の組織に良い効果をもたらせている感覚。かつ、レジリエンス面を強くスクリーニングしている会社は市場に少ないので、競合環境も相対的に緩くなりやすい。

(特に組織フェーズの変わり目だったりして、ポジションの変動があり得る会社なら尚更レジリエンスの重要度高いと思います。自社でもかなり感じてる点。そういえば、はじめスキル採用していったらメンバーが離脱しまくって、そこからミッションフィットや人柄面を見て採用するようになった、という話もよく聞く事例ですよね。)

 

まとめると、新卒採用において、単に「レベルを上げる」と言っているとき、そのターゲティングにちゃんと仮説があるのかを深く考えていくことが大事だよなあと思っています。マーケティングやセールスだと当然なのに、採用になると実践している会社が案外少ないような。1人1人が果たす役割が相対的に大きなベンチャー企業にとって、間違いなく大事なポイントだと思うので、継続的に発信したいと思います。

 

あと、さらっと触れた、「採用の魅力度はどう上げるか」なども近いうちに書こうと思います。今回はこの辺で。

自己紹介その1。情弱官僚志望東大生が、ベンチャーに!?

「どこに行くのか」なんて知らなかった。ただ「負けたくない」「上に行きたい」だけ考えて、生きてきたんです。

 

はじめまして、栗岡と申します。スローガン株式会社という80人規模のベンチャーで働いてます。

「挑戦し続けるオトナを増やす」という個人ミッションと、「人の可能性を引き出し才能を最適に配置することで新産業を創出し続ける。」という会社のミッションを追っかけて仕事をする毎日。

 

今回は、"ベンチャーって、夢があって目標も固まってる人が行くところだと思うんですよ"という声を学生さんからよく聞くので、「そうじゃないんだよ」というのを、自己紹介がてら、お伝えしたいなと思って書いています。なるべくあるがままを書こうとしてたら物語調になりましたが、"ベンチャー"の"ベの字"も知らなかった官僚志望な東大法学部生が、30人弱のベンチャーに新卒で入るまでのリアルです。では、始まり始まり。

 

さて遡って2011年2月、東大受験の帰り道。寒空の下でしたが、手ごたえを感じて心は熱かったのを今でも覚えています。この時は、ただただ目の前の道を真っ直ぐに走っていました。周りに負けたくない、ただ上を目指したい。無事に合格して大学に入ってからは、ひたすら部活、特に書くほどのこともないので割愛します。本当に、今の嫁さんに出会ったぐらいしか誇れるものが無いw

文科一類だったので、そのまま法学部を選択し、卒業後は官僚になるんだと思って試験勉強と部活の毎日。

そして2013年12月、公務員試験の合格通知当日。真ん中ぐらいの順位で合格、これで後は官庁訪問を残すのみとなりました。この時も、ただ上へ、上へ。

 

でも、この時は、だんだんよくわからなくなってきていました。

「自分はこれからどこに向かうのだろう?」

「何が正解なんだろう?」

これまで考えもしなかった、「どこへ向かうのか」という疑問に、初めて思い至ったのです。

ふと、「自分は何も知らないのかも」と思い始めました。このまま、何もせずに進んじゃって良いのだろうか?


そこから、ようやくちゃんとやり始めた就職活動。

と、言ってもどこに行きたいかも、どこに行けば良いかもわからない。時は2013年12月半ば。世間はもう就活解禁後で、完全に乗り遅れ組。

ということでひとまず合説に顔を出してみる。よくわからない。話している内容が面白いかすら、あまりわからない。というかピンと来ない。

知らないだけかなと思って選考に進んでみる。もっとわからない。とりあえず、ピンと来ていないことだけはわかる。

でもどこの選考を受けに行くのかも、全然固まらない。とりあえず名前を知っている会社に、行ける限り行ってみる。なんか違う。

そんな有様の就職活動。怪しい就活塾に引っかかりかける始末でしたwww


ひょんなきっかけでベンチャーという言葉を知った(むしろこれまで知らなかった)ので、それっぽいところを片っ端から受けてみた。ある"事業家集団"という打ち出しのベンチャーも受けてみました。事業家ってなんだ??とか頭にハテナを浮かべながら。そしたら説明選考会で落ちた。さすがに無知すぎたかとか思いながらも、ちょっと切なかったのも覚えてます。

しばらくの間、向いてないのかなとか不安を抱きつつもベンチャーを受けていました。でもなんとなく覚悟が決まらない。やりたいことってどうやったら見つかるんだろうとか、うねうね考えてた。

そうしたらあるとき、某人材育成系のベンチャーの方から、痛烈な一言。


「このままだと、ただの中間管理職になりそうだよね。」


思い当たるフシはいくつもある。これまで、本当の意味での失敗や挫折からは逃げて来た。しかも仕事への想いは特に無い。その選考の帰り道から1〜2週間、「このまま出来上がる将来の自分を、自分は許せるんだろうか?」と考えていました。

否。無理。それはなんか、違う。血が湧くように生きたい。それだけはこの時、確かに思った、自分の唯一の軸でした。

でも、何なら本気で打ち込めるのだろう?わからない。それもそうか。やったことないんだし。ならまあやってみるか。そう思って、まずは働こうと思いました。

それで長期インターン先として、就活の相談もしていたスローガンにお願いしに行った、それが今の会社に入ったきっかけでした。


そこから色々あって、長期インターンではなく新卒としてスローガンを受けることに。選考はボロボロだったがなんとか内定、そのまま内定者としてインターンを開始し、入社に至る。

 

これが、僕の就職活動の流れでした。ここまで無計画な人も中々いないと思いますwブラックな会社とかも受けまくってましたし、なんなら就活塾にも引っかかりかけるとか、相当な情弱っぷり。こんなやつがよく就活語れるもんだ。でも、僕の場合は人との出会いでだいぶ救われました。ホントに。これが無かったら今頃何やってることやら。詳細はまたの機会に。

 

で、こんなグダグダ劇の結果入った今の会社ですが、僕はまだ何も成してないなりに、今人生賭けて挑戦してるって胸を張って言えます。だから、挑戦することに迷ってたり、踏み出せない人にこそ、声を大にして言いたい。

 

「始めること、それだけに集中しよう。これまで何をしてきたかなんて関係ない。上手くやれるかどうかなんて、知ってたらむしろツマラナイ。わからないことが、自分を強くするチャンスなんだ。」

 

次回は、自己紹介パート2として、この情弱が入社してからのことを書こうと思います。