平凡情弱高学歴が、ベンチャーに行ってみて。

スローガン株式会社。セールス→キャリアアドバイザーチームのマネージャー→新卒採用担当。官僚志望だった平凡な東大生が、新卒でベンチャーに入ってみての話や、採用周りの話を綴ります。

就活ルール廃止で、どうなる?

話題に乗ってこのテーマについて考えてみます。(あくまで本ブログは1個人としての意見です。特に会社としての見解を示すものではありません。)

遂に!!就活の説明会解禁、面接解禁時期の制限が2021新卒の代から撤廃されることになりました。2019新卒で言えば、3月から説明会、6月から面接解禁というスケジュールで、そこまでは各社説明会とは言わず職業体験(インターンシップ)型で接点を持つなどが主流でした。

では今回、この時期制限が撤廃されることで、何がどうなるのか?新卒採用をしている側から見ると、どう備えれば良いか?考えてみようと思います。

 

1.ざっくり概観。早期の内定出しが活発化。

2.各サービス別に検討してみる

スカウト型サービスはどうなる?

エージェントサービスはどうなる?

媒体はどうなる?

3.長期インターンの流れ

 

1.ざっくり概観。早期の内定出しが活発化。

まずは全体の流れからおさらい。要は「選考開始の時期、内定出しの時期に縛りが無くなる」というのが肝。

つまり、大学1年生の4月に就職先が決まる、というのが原理的にはあり得るわけです。それに伴って、いわゆる青田買いという意味で企業の採用活動も前倒しされる可能性が高いでしょう。

少なくとも、今みたいに6月まで待って活動する企業は、相当減るはず。「通年採用」はむしろ一般的になり、そこでどう差別化するのかという点で、採用ブランディングに振り切るのか個別のゲリラ戦に振り切るのかの選択が前より重要になるかと思います。

企業の採用活動は、ブランド力を資本に早期から囲い込みに行く企業が増える一方で、採用時期が多様化するために、個別に接点を深く持ちながらバイネームで口説いていく企業も増え、この2つに徐々に2極化していくのではないかと考えています。

 

2.各サービス別に検討してみる

スカウト型サービスはどうなる?

さて、ではそうなっていった際に、各採用支援サービスはどう変化していくか?ちょっと一般論になってしまいますが、見ていきましょう。

スカウト型サービスは、ベンチャー向けにより流行する方向に動くでしょう。企業の文脈を問わず個人で接点を持てるサービスは、通年採用化の動きと非常にマッチしています。

その中での競争の方がむしろ論点かなと思っていて、「マッチング精度の向上」「運用効率の向上」の2つを効果的に実現できたサービスが勝つのでは、と。通年採用になっていくと、よりフランクな文脈で繋がりやすくなるため、採用効果という点だと、ともすると逆行しやすくなる。それを防ぐためにマッチングの精度と運用効率が重要、みたいな意味合いですね。

 

エージェントサービスはどうなる?

続いてエージェントは?こちらもスカウト形式と比較的近く、「母集団の質向上」「採用効率の向上」の2つが肝になるのではと思います。ポイントは、中程度の付加価値を提供しているエージェントが淘汰され、プラットフォーム型と高付加価値型に2極化するのではないか、という点です。通年採用になっていくと、採用ブランドが確立されている企業とそうでない企業で、いわゆる「有効母集団(本気度合いの高いエントリー母集団、と定義します)」の数に差が開いていくと予想されるため、ブランドのある企業からすると付加価値を下げてコスト効率を上げる方が、ブランドの無い企業からすると付加価値を上げる方が理に適うのではという予測です。

 

媒体はどうなる?

こちらも上記2種類と近しい予想で、「プラットフォーム型」と「ブランド型(セレクトショップ型)」のどちらかに収斂する圧力が強まるのではないかと考えています。細かいところは被るので割愛。

 

3.長期インターンやその他サービスの流れ

ここまではこれまでの新卒採用領域をカバーしていたサービスの動向について書いてきましたが、長期インターンやその他のサービスの流れも見逃せなくなると思います。なぜなら、早期化すればするほど「早く囲いたい」という企業側の思惑と、「早く就職先を決めてしまいたい」という学生側の思惑は一致する一方で、「キャリアについてまだあまり考えていない段階の学生が、自社にフィットするか見極めにくい」というマイナスがあるため。

そこから、「じゃあ働いてもらってそこから採用しよう」「適性テストや診断サービスを活用して、フィットするかどうかを見極めよう」というニーズがこれまでよりも非常に強まっていくのでは、という流れです。この「自社に合う学生を、早期にいかに見つけるか?」という問いが起こるというのは本当に良い動きになるんじゃないかと思ってまして、心から、今回の就活時期制限の廃止は喜ばしいなと思ってます。

ちなみにスローガンでは、長期インターンの採用支援サービスにも相当注力してます。就活が、単なる言葉遊びではなく、学生にとってはキャリアを捉え直す、企業にとっては自社で活躍する人材を考え直す、良い機会とできるよう、引き続き頑張ります。